2017-01-01から1年間の記事一覧

非日常生活の冒険ー大江健三郎全小説全読書会③

代表作『万延元年のフットボール』を取り上げた第2回読書会から4か月、『大江健三郎全小説』配本を記念して、第3回「大江健三郎全小説全読書会」を開催します(第1回読書会での議論をレポート化したものがブログにあるのでよければ過去の記事もご覧くだ…

第8回天上天下唯我独奇書読書会開催のお知らせ

こんばんはみなさん、Nicoです。この年末、半年以上のお休みを経て奇書読書会が帰ってきます!今回読むのは、「人は奇書を読むことはできない。再読することもできない。」という本読みの胸にしみる名言を残したあの作家の、今年いよいよ翻訳された大作です…

City of Words of the Dead

序論 「僕は知るべきすべてを知っている / 僕はジョージ・ロメロからすべてを学んだんだ ダリオ・アルジェント、トム・サヴィーニ、スチュアート・ゴードン、サム・ライミからも」 ― Sprites「George Romero」 映画はその誕生時から、白と黒との境界線を主戦…

M/Gと大江のフットボールの物語-大江健三郎全小説全読書会②

大好評をいただきました第1回読書会から3か月、『大江健三郎全小説』第7巻配本(7/10)を記念して、第2回「大江健三郎全小説全読書会」を開催します(第1回読書会での議論をレポート化したものがブログにあるのでよければ過去の記事もご覧ください)。…

叫べ、叫び続けよ ー大江健三郎全小説全読書会①

7月10日に『大江健三郎全小説』が第3巻から配本開始されるという歴史的事件を記念して、「大江健三郎全小説全読書会」を立ち上げます。今後も各回配本に合わせて実施していく予定。大江ファン集まれ!日時: 2017年7月16日(日) 14:00~ 場所: 名曲・珈琲「ら…

新作小説時評 (2)

山田詠美の新作「ベッドタイムアイズ」は、肌の柔らかさと金属の硬さが共存し、時に不協和をきたすありようを描いている。語り手キムは黒人兵が「黒い指の間にはちみつがしたたり落ちるかのように金色」(p.11)のグラスを持っている所を見て欲情を抱き、黒人…

第7回天上天下唯我独奇書読書会開催のお知らせ

がたん! ーという一つの運命的な衝動を私たちに伝えて、その読書会の告知は開始した。 えんたあ・えんたあ! へんかん・しふと・F6! えんたあ・えんたあ・えんたあ! ふたたびタイトル。 「第7回天上天下唯我独奇書読書会―。」 こんばんは、Nicoです。今…

新作小説時評(1)

四次元的小説ー『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治の新作『銀河鉄道の夜』は、三次元の現実を超えて行こうとする小説の力を感じる作品だった。冒頭の教室の場面で、ジョバンニの先生は星座の図の「ぼんやりと白いもの」について次のように生徒達に語る。 「ですから…

僕たちの失敗―『高校教師』論

生物準備室、昼休み。結婚生活の難しさを自嘲的に語った新庄徹(赤井秀和)に、羽村隆夫(真田広之)が生物学の知識で応じる些細な場面がある(『高校教師』第3話「同性愛」)。 羽村「知ってますか?カマキリの共食いの話。」 新庄「ああ、あの雌が雄食う…

第6回天上天下唯我独奇書読書会開催のお知らせ

Happy Barthday!! ある意味では、僕、Nicoです。ボブ・ディランが「行けたら行く」と言ってノーベル文学賞を受賞したのを知ってる人も、実はその前にジョン・バースが「もらえるならもらう」と言って必死に賞もらおうとしてたことは知らないのでは?今年20…