2015-01-01から1年間の記事一覧

第1回天上天下唯我独奇書読書会のお知らせ

みなさま Nicoです。今年も残り数時間ですがいかがお過ごしでしょうか?よるべなき人形としての生の中、濃霧に不連続線を探すため、来たる1月9日宵刻、奇書読書会を開催致します。 日時:2016年1月9日(土)19:00~ 場所:東京都文京区本郷通り沿い CafeLo…

『明暗』&『暗夜行路』論

偶然と運命のキアロスクーロ 『明暗』と『暗夜行路』、近代日本文学を代表する二つの大作の微妙な関係は、ある程度漱石と志賀の関係の微妙さを反映している。『暗夜行路』完結後の「あとがき」を志賀は、自分が連載するはずの長篇が思うように書けず漱石に詫…

『それから』論

それからの近代小説 漱石作品の中で『それから』は際立って人工的な印象を与える。そこでは小説の構成など八方破れでも良いと言わぬばかりの闊達さは陰をひそめ、プロットは因習的な「姦通小説」をなぞり再生産するにとどまっている。(『虞美人草』はどうか…

『或る女』論

文壇に於ける白樺主義の代表者「タケロヲ、アリシマ」の小説について 革命主義を政治上に實行せんと企てたるは士人なり之を文學上に発揮したるは詩人なり「シヨウヨー」を読む者は通観一過してその言文一致論にかぶれたるを知るべし「シメー」の如きは多言を…

B級映画は君に語りかける(0)

人は映画を見て、まれにその歴史を考えたりする。『カサブランカ』を見た後に『ショーシャンクの空に』を見てどちらが心に響くか考える。『ニューシネマパラダイス』を見た後に『勝手にしやがれ』を借りてトルナトーレは泣けるがゴダールはうんぬん、とひと…

はじめの言葉

書を捨てよ、奇書を拾え。はじめまして、わたしはNicoと申します。アンディー・ウォーホルの愛人みたいに育つようにという願いを込めて親が付けました。 来年のことを言うと鬼が笑うと言いますが、 笑わせておけ。天上天下唯我独奇書読書会というまったく韻…